猫をなでなでしていると、猫は気持ちよさそうな表情をしてくれるし、飼い主は猫と繋がっているような幸せな気持ちになります。しかし、撫でている時に噛まれたりして、猫に愛想をつかれてしまうこともありますよね。猫の正しい撫で方、接し方とは?今回はイギリスの大学の研究で分かった「猫を撫でる時のガイドライン」をご紹介します。
猫に愛される撫で方「CAT」
猫に愛されるための撫で方は結論から言うと「撫でるタイミングや場所を猫に決めさせる」という方法です。
ノッティンガム・トレント大学のローレン・フィンカ博士は、猫が撫でて欲しくないタイミングを掴むのに苦労している人のために、猫との相互作用に関するガイドライン「CAT」を作成しました。
ガイドライン「C」「A」「T」に沿った猫を撫でる方法
猫との相互作用に関するガイドライン「CAT」は、Controlの「C」Attentionの「A」Touchの「T」の頭文字からきています。
② Attentionの「A」:猫の行動とボディランゲージに注意を払う
③ Touchの「T」:どこを撫でるか考える
① 猫に手を差し伸べて、撫でられたいかを猫に判断させる
猫の前で手を差し伸べて、猫がどんな仕草をするか観察します。手を差し出すことで猫は「近づいて撫でられること・避けて撫でられないこと」が選択できます。
猫の可愛さに負けて抱っこしたり、追いかけるようなことはしないようにしてください。
② 猫の行動を観察する
猫からの「NO」を理解することが大事です。
猫と触れ合っている時下記のような行動をしたら、「もう撫でなくていいよ」のサインなので、構うのを一旦おやすみしましょう。
・頭を素早く回して撫でている人を見てくる
・何かを振り払うように尻尾を素早く動かす
・背中がさざ波のように動く
③ 猫が撫でられたい場所を撫でる
猫が好きな撫でられる場所は、猫それぞれで異なる場合もありますが、耳の付け根や頬の周り、あごの下。主に顔まわりです。
おなかや足、尻尾の付け根は避け、背中を撫でるときは猫の反応に注意することをお勧めします。
尻尾の付け根は一般的に猫が撫でられると嬉しい場所と認識されていますが、神経が集中している場所なので、いつでも撫でていい場所ではないようです。
撫でるときは猫に主導権を握らせよう
研究の一環として、猫の撫で方ガイドライン「CAT」をロンドンのキャッテリーにいる猫に実施しました。
最初の3匹はガイドライン無しで接触し、その後別の猫3匹にはガイドラインに沿った方法で接触しました。
ガイドラインに沿った接触方法で接した猫3匹は、不快感のサインを示したり、攻撃的な行動をする可能性がガイドラインに沿っていない猫に比べてはるかに低くなりました。
それだけでなく、このガイドラインで接した人に対して「頭をこすりつける」「ふみふみする」など友好的な振る舞いを猫がするようになったそうです。
このガイドラインについて、フィンカ博士は下記のように述べています。
「これらのシンプルな「CAT」ガイドラインは、猫を撫でている時に決して圧倒されないようにすること、猫を撫でる場所や方法、および頻度に注意を払うように設計されています。猫が攻撃的に行動してから撫でるのをやめるのではなく、猫が示す不快感のサインに注意し、それに応じて対応することを奨励しています。」
「ガイドラインは、すべての猫に適しているように設計されています。たとえば、一部の猫には全く触れないことを意味するかもしれませんが、これは猫に関与しないことを選択するためです。一方、他の人にとっては、猫がもっと要求し続けるため、完全に抱きしめるセッションが必要になる場合があります。」
ロンドンのキャッテリーの猫福祉マネージャー、ジョアンナ・プッツォ氏は次のように付け加えました。
「すべての猫は素晴らしくユニークな個性を持っていますが、この新しい研究が示すように、基本的な類似点を共有していることがよくあります。猫が好き嫌いを表現するときは信じられないほど微妙な場合があり、その結果、彼らの行動は誤解されたり完全に無視されたりする可能性があります。これらの新しいシンプルかつ効果的な「CAT」ガイドラインにより、飼い主は自分の猫がどのように感じているかをよりよく理解し、ペットが幸せでリラックスできるように一緒に交流する方法を適応させることができます」
この研究では、「撫でられない」という選択肢を猫に与えることが、猫と仲良くなれるポイント。猫と接するときは猫の気持ちを考えながら接してあげましょう!
出典:https://phys.org/news/2021-07-cats-petted-hostility-affection.html