調達した食料をいかに長期保存できるか?というのは人間だけでなく、動物も同じように大切な生きるためのスキルのようです。2023年6月13日、中国の「海南大学」とカナダの「アルバータ大学」の共同研究によると、中国で生息している「モモンガ」2種が採取した木の実を効率よく長期保存している事が明らかになったそうなんです。
モモンガの木の実の保存方法
中国にある海南島(かいなんとう)で生息している「ソメワケクサビオモモンガ」と「クサビオモモンガ」は、食料にしている木の実を賢く保存していることが、この度判明しました。
その方法は、木の枝を吊り下げて収納するという方法。モモンガたちは、Y字型の木の枝の間に木の実が凹凸でピッタリはまるように細工をして、木の枝に木の実をはめ込み収納していました。
この技法、結構精度が高くてブンブン枝を振っても木の実が落ちてこないぐらいガッチリついているのだそう。
まるで昔の大工さんが釘無しでお家を建てる「組子細工(くみこざいく)」のような技術をモモンガたちも獲得していたのですね。
なぜモモンガは木の実を枝に隠すのか?
この習性を発表した中国の「海南大学」とカナダの「アルバータ大学」の科学者らによると、海南島の熱帯雨林で見られるこの行動は、湿った地面に木の実を埋めるよりも、彼らの餌を長く保存できる可能性があるといいます。
地面に埋められた木の実は通常2~3か月以内に発芽してしまうのですが、木の枝に隠された木の実は発芽していないということが分かっています。
モモンガたちは、地面に木の実を埋めてしまうと、その後食べられなくなる事を知っているかのようです。
「この2種のモモンガだけがこの技術を持っており、他のリス種や動物にはこの能力があることが知られていない」と生態学教授ハン・シュウ氏は語っています。
どうやってこの技を獲得できたのかについてはまだ研究段階のため判明はしていませんが、大人のモモンガの行動を子供たちが真似をして広がったのではないかと科学者たちは推測しています。