【ペットもペットロスになる】多頭飼いで残された犬にできる接し方とは?

ペットロスは愛するペットが亡くなった後に感じる喪失感のことを指します。強烈な喪失感からうつ状態になったり、涙が止まらないなど、普段通りに日常を過ごすことができなくなります。
では、同居していたペットはどうなのでしょうか?実は犬の場合、同居していた犬や猫が亡くなると、人間と同じようにペットロスの症状が現れるという研究結果があります。

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ペットもペットロスになる

2022年の2月に発表された論文によると、同居犬の死後残された犬がペットロスの状態になるという事が分かりました。
研究者は犬を多頭飼いして、犬の死を経験したことのある飼い主に対してアンケートを取りデータを集積して調査しました。

残された犬に関する行動の変化についてのアンケートでは主に「飼い主に注意を向けるようになる」という回答が67%あり、その他にも「おもちゃで遊ばなくなる (57%)」「活動レベルの低下 (46%)」「いつもより眠る時間が増えた(35%)」「食事を摂らなくなった(32%)」という回答もあります。

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なぜ犬がペットロスになるのか?

犬がペットロスのような症状になる理由として挙げられるのは、「亡くなった犬と仲良しだったか」という事と「飼い主がどれだけ悲しんでいるのか」の2点に関連があるとされています。

またこの研究で興味深いのは、犬同士が一緒に暮らした時間には関連性がなかったという点です。

長く一緒にいた犬も、そうでなかった犬も同じようにペットロスの状態になる事が明らかになりました。

仲良しの犬だった

フリスビーをする犬2匹

オオカミなどの野生の犬は、家族で群れを作り暮らしています。仲間を作り群れで暮らす事により生存率が上がるからです。その仲間が死んでしまうと、野性的な本能で危機的な状況である事を察知し、群れの中で動揺が生まれるそうです。

犬の場合、血縁関係がなくても一緒に暮らせば、家族のような強い絆を築く可能性があります。食事を分け合ったり、一緒に遊んだりする事でより絆が深まっていくわけですね。
このように絆が深かった犬同士のどちらかが亡くなった時、残された犬の方は食事を摂らなくなったり、眠る時間が増える事が多くなるそうです。

飼い主が悲しんでいる

眠る飼い主と子犬

また飼い主の悲しみが犬にも伝染する事によって、残された犬にもペットロスのような症状が現れるという事も明らかになりました。

アンケートで「ペットの死にとても動揺している」と回答した飼い主の場合、犬が「食事を摂らない」などの行動をする確率が多くなったそうです。

犬は飼い主の表情やジェスチャーを見て感情を察知する事ができます。このような感情の伝染は犬など社会的な動物の特徴で、人間との長い歴史の中で犬が獲得したスキルなのです。
また、犬は飼い主がストレスを感じている時に出す匂いを察知する事もできます。

犬は人間のストレスを匂いで嗅ぎ分けられる【研究】
犬は嗅覚の生き物と言われるぐらい鼻がいい生き物です。犬の嗅覚は人間の3000倍から10000倍と言い、特定のにおいでは人間の100万倍以上とも言われています。その能力を生かして、災害での人命救助や、行方不明者の捜索、がん患者の発見など人の役...

飼い主の表情や仕草、匂いなどから悲しみを感じ取っているのだとされています。

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ペットロスになった犬への対処法

この研究から犬も同居犬の死をきっかけにペットロスになるということが分かりました。
ペットロスは飼い主にとって辛い経験ですが、それは犬も同じこと。
残された犬に飼い主はどのように接してあげるべきなのでしょうか?

スキンシップを多めにとる

犬を抱きしめる人

同居犬が亡くなり家からいなくなってしまった事で、残された犬はとても動揺しています。
アンケートによると、残された犬が死んでしまった同居犬の死体を見ていたという結果もあります。
回答の大半では関心を寄せなかった犬は少なく、体を触ったり匂いを嗅いだりと、動かなくなった同居犬に触れていた犬が大半でした。

同居犬の死を経験する事で潜在的に恐怖や脅威を感じ、飼い主に助けを求めている可能性があるそうです。

しかし、飼い主が感情的になっていると、犬からのSOSに気づいてあげる事ができません。飼い主から助けてもらえなかった犬は不安と恐怖が高まります。

もちろん飼い主が悲しまないようにするという事は無理な話。なので残された犬たちとなるべく時間を共有して、スキンシップを増やすようにしてあげましょう。

いつも通りのルーティーンで生活する

犬と散歩する夫婦

飼い主の生活パターンが変化すると、残された犬に不安やストレスを与えてしまいます。なのでなるべくいつもと同じルーティーンで生活をするように心がけましょう。
悲しい記憶や辛かった記憶というのは、時間の経過と共に克服する事ができます。犬が亡くなる前にしていたように、犬と一緒に遊んだり散歩をしてあげましょう。

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亡くなったペットとの思い出を大切に

今回の研究では、いつも一緒にいた友達が急にいなくなった事と、飼い主の様子がいつもと違ってしまう事で、残された犬にペットロスのような症状が現れるとされています。

コロナの影響でペットをお迎えする人が増えた事で今後、ペットロスに襲われる人も増えていくでしょう。一緒に暮らしてきたペットが亡くなると強烈な喪失感や悲しみに襲われます。

ペットロスは簡単に克服できる事ではないので、時間をかけてゆっくりとペットの死を受け入れていくようにしましょう。

参考:Domestic dogs (Canis familiaris) grieve over the loss of a conspecific

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