パグ犬といえば短い鼻を持った、ペチャ顔が愛くるしい犬種。狼の頭蓋骨とパグ犬の頭蓋骨とを比較した写真を発見したので少し調査してみました!
パグと狼の頭蓋骨の違い
パグと狼の頭蓋骨を比較した写真をみると、同じイヌ科とは思えない印象を受ける。
狼の頭蓋骨
パグの頭蓋骨
この写真を見て、人工淘汰だ!という意見が多く感じられ、確かにそうだな…と感じたのだが、私は思った。『何がどうして、こうなった!?』
パグの起源が謎すぎた
狼から突然鼻ぺちゃなパグになったわけはなく、パグになるまでの過程がある。
そもそもパグは紀元前2000年の頃の中国では既に飼われていた犬種で、チベタンスパニエルやペキニーズを小型化した犬種なのでは?と言われているが、実際の所はわかっていない。
鼻ぺちゃ犬の始まり?パパ・ドッグ
パグによく似た『パパ・ドッグ』という犬種。ある一説ではこのパパ・ドッグが、ペキニーズやチベタンスパニエルの祖先なのではないか?と言われている。
このパパ・ドッグの子供が派生してそれぞれ『ペキニーズ』『チベタンスパニエル』『パグ』へと派生したという意見もあったり、パパ・ドッグの長毛がチベタンスパニエルや、ペキニーズになったのではないか?との意見もあるのだが、実際の所研究が進んでいないので不明なのだ。
どうして研究しないのかというと、パパ・ドッグは第二次世界大戦の時に出された『飼い犬撲殺令』によって純血のパパ・ドッグは20世紀初頭に絶滅してしまったという。
この辺りの犬種の起源などは、あまりにも昔からいるためそのルーツはわかっていない所が多く、パグの起源はまさにミステリーに包まれているのだ!
オオカミとパグ骨の形が違うのはなぜ?
そもそも、オオカミのマズル(鼻)が長いのは獲物を捕らえて食糧を得るため。大きな口にある牙で獲物に噛みつき、長い鼻にたくさんの空気を吸い込み獲物の匂いを嗅ぎ分ける。生き残るための進化である。
でもパグは、その祖先であるパパ・ドッグの時代から人間に可愛がられるため、人間が鼻がより低くなるよう、目がより大きくなるよう改良してきた歴史を持つ犬種だ。
潰れた鼻にしゃくれた顎、大きな目を持つユニークな顔立ちは、当時の権力者をも魅了し、これが後世まで受け継がれた。
これも生き残るための進化でもある。しかしこれは自然現象ではない。近年では鼻が潰れた短鼻種は呼吸器系の病気や疾患も多く、麻酔がかけられないなどの問題もあり、鼻ぺちゃ犬は飼わないで!と警告をしている獣医もいる。
鼻が短い犬を飼いたい人が居なくなれば、悪質なブリーダーが減り無理な交配はなくなる。鼻の短い犬は絶滅するのかもしれない。もしそうなることができたのなら、パグは将来私たちが知っている姿ではなく、もっと自然な犬の姿に変わっていくかもしれない。