パグやフレンチブルドッグは鼻ペチャでブサカワ犬として大人気!でもなぜ彼らは他の犬に比べて鼻が低くなったのでしょうか?
「噛み付くため」に鼻ペチャ犬として改良されていた説
鼻ペチャ犬の代表ともいえるブルドッグは、元々牛や熊を噛むための闘犬(ブル・ベイティング)として活躍していた犬種です。
彼らの鼻が低いのは「牛や熊を噛んだ時に鼻が潰れず呼吸できる様にするため」と言われてきました。
しかし、牛や熊に噛み付いていた頃のブルドッグ(オールドイングリッシュブルドッグ
)の姿は今のブルドッグに比べると鼻がさほど低くはない事が伺えます。
この事から、噛み付くために改良されたわけではないのが現代の説です。
フレンチブルドッグが鼻ペチャになったのは?
牛や熊と犬を戦わせるブル・ベイティングが禁止された19世紀。彼らの見た目が変わっていくきっかけとなる事が行われる様になりました。
この頃から市民だけでなく貴族もブルドッグをペットや番犬として飼う様になり、ブルドッグのドッグショーが行われる様になりました。
そのため、より頭が大きく、より鼻を低くするなどの見た目の品種改良が行われる様になりました。
ミニチュアブルドッグの誕生
これにより本来の姿である「オールドイングリッシュブルドッグ」の姿は「ミニチュア・ブルドッグ」として、私たちがよく知っている鼻が低くて平たい顔の姿に変わっていきました。
「ミニチュア・ブルドッグ」は品種改良され「フレンチブルドッグ」となり人気を博したのです。
パグが鼻ペチャになったのは?
鼻ぺちゃ犬の代表ともいえるパグは元々中国のあるお寺で飼われていた犬で、中国の皇帝にも愛されていた犬種です。
中国からヨーロッパに渡ったパグはヨーロッパの貴族にも愛され人気を博していました。しかし、この頃のパグは今ほど鼻が低いわけではありませんでした。
彼らの見た目が変わったのは19世紀ごろ。
鼻ペチャで足の短いパグをイギリスの貴族であるレディ・ブラッシーが中国から自国に持ち帰り、品種改良を進めた事から始まったとされています。
近代の研究でも判明した鼻ペチャ犬の遺伝子
エジンバラ大学の研究者は、鼻ペチャ犬になる原因を探るため374匹の犬のDNAデータを調査しました。
その結果、SMOC2と呼ばれる遺伝子の活性を破壊する遺伝子のある犬は鼻が低くなる事が判明しました。
パグと他の犬種の横顔と頭蓋骨を比較すると骨格の違いが明らかです。
鼻ペチャ犬が見直されている
鼻か低い犬は呼吸困難を起こしたり、頭が大きすぎるため自力で出産できないなどの問題を抱えています。
鼻ペチャ犬が生まれた理由には人間の品種改良が大きく関わっているため、この様な健康問題を改善すべく鼻ペチャではなかった頃の本来の姿に戻すという品種改良も行われています。